この度、日本心理臨床学会第40回大会におきまして自主シンポジウムが開催されます。
詳細は下記リンクよりご確認下さい。
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日時:2021年9月4日(土) 10:00〜12:00
場所:日本心理臨床学会
第40回大会webサイト内(日本心理臨床学会学会員限定)
https://www.ajcp.info/
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「小児科における心理職の仕事始め」
企画者:松嵜くみ子(跡見学園女子大学)
司会者:永田雅子(名古屋大学) 海野千畝子(兵庫教育大学)
話題提供者:田中順子(埼玉医科大学病院) 丹羽早智子(名古屋第一赤十字病院)、万代ツルエ(浜松市子どものこころの診療所)
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これまで、心理職は医療機関で公的資格を持たない職種の代表であったが、今後は公認心理師の資格を持った心理職が医療現場で活躍していくものと思われる。小児科・精神科・心療内科・神経内科などに加え、慢性疾患や悪性疾患、救急医療、終末期医療など、診療科に限定されず、多岐にわたって心理的評価や支援が求められる。
近年、小児医療・療育を利用する子どもとその家族にとって、身体的な改善のみならず、心理・社会的な支援の重要性が増し、より良いサービスの提供に向けて様々な改革が進められている。小児医療の現場において心理職の雇用も少しずつ増えているが、まだ一般的ではなく、その仕事の内容も施設によって異なり、知識・技術も、個々の研鑽、努力に頼っている状況である。
心理職が医療チームの一員として機能するためには、心理的アセスメント、心理的支援、コンサルテーション、教育・研究といった心理の専門性に加え、医学、医療、医療制度に関する知識、他職種の専門性を知り、連携・協働を実践することのできるコミュニケーションの力も必要である。小児医療・療育において心理・社会的なサービスに関する知識・技術・態度を系統的に学び、社会に貢献できる、ある一定の力量を持った心理職を育てることは喫緊の課題である。
本シンポジウムでは、小児医療の現場で初めて働く心理職を想定し、現場に出る前に基本的に身につけておきたい重要なポイントや心得を議論する。
主な内容は、現場で働く心構え、医療に携わる様々な専門職の紹介、他職種との連携のポイント、外来と病棟、NICU、診療記録、など「現場を知る」こと、心理臨床活動を実現するための枠組み、環境を整える
ための、説明、広報、システムづくり、よく使われる心理アセスメントと結果のフィードバック、個別面接、親面接、家族面接、などの心理支援を取りあげる。
似たような「言葉」「概念」が使われていても別の事を指している場合など、チームの一員として貢献するためには、意識的なコミュニケーションが必要になってくる。子どもとその家族の望みをよく聴き、意向
に沿った、より良い心理支援につなぐために、「聴く」力だけではなく、「伝える」力の重要性にも意識する必要がある。